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ここはTW2シルバーレインPC、キィ・ラズワード(b52006)の日々を綴る日記であり、また背後の愚痴り場である。
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麗らかな夏休みの午後、おれは胡華と二人机に向かっていた。
というのも、情けない話だが彼女に数学を教えてもらうためだ。 学校の成績は中の上をキープする彼女だが、実際は数学が異常とも言えるくらい得意なのだ。 式書くの面倒だからとテストでは答えしか書かないから成績は低いらしい。 「……悪い胡華、の解き方どうするんだ?」 「解は……、あの方程式使うといいよ」 返事が1秒と経たずに返ってくる。 胡華曰く『見聞きしただけですぐに式と答えが組み上がってしまう』とのこと。 羨ましいような面倒なような、厄介な才能だとも言っていた。 言われた通りに方程式を当て嵌め解いていくと、確かに彼女の言う解に辿り着く。 先に答えを言わないで欲しいが、言わないと気がすまないだろうから答えさせておく。 そんなおれの事など関係なしに、胡華はお気に入りのファッション雑誌を読んでいる。 気に入った服を見つけたのか鼻歌交じりにページをめくっていた。 と、突然胡華はおれの方を向く。 「とこで鏡にぃ、はねこちゃん台詞攻め好きなんだって。結構Mみたい」 「……それ、今言うことじゃないだろ?」 呆れた顔でおれは言いかえす。いや、むしろ何故この話題になった。 それに対して胡華は不思議そうに小首を傾げる。 「鏡にぃだって、欲しい情報でしょ?はねこちゃん好きなら」 「……おれはふられた。そしておれは諦めた。これ以上困らせない」 「…………ふーん。それ本心?」 「本心だ。疑うな」 はっきりと、そう言いきる。 その方が彼女のためだと分かっているからこそ、はっきりと。 しかし、こういう話題の中に名前を出されたらまだ少しだけ動揺はする。 事実、今現在宿題よりそっちの方に気を取られてしまっている自分がいる。 本当におれは馬鹿で単純だ、そう思いながらため息一つ。 するとつられてか、胡華も深くため息をついた。 「……全く、これじゃ『私』の無駄死にじゃないか」 突如、声のトーンと口調が変わる。 気になって彼女を見ると、胡華はおれを呆れ顔で見ている。 どこか見知った、いや、寧ろ思い出したくない表情だ。 「仕方がない。少しばかり『こちら』で話をしよう。それが君のためになる」 「……こ、はな?」 胡華の細い腕がおれにむかい伸びる。 額に指が触れた瞬間、脳が揺さぶられるような衝撃と共に意識がどこかに落ちる。 「リオン」 最後に、胡華の口から、彼女が知るはずもないおれの名前が紡がれた。 PR
お互いの気持ちはちゃんと言い合えた。
別れ際まで、おれはぐちゃぐちゃになった頭の中を整理することで精一杯。 それでもちゃんと言いたかった言葉は言えたし、 やりたかったこともやれた。そのはずだ。 ただ、全部吐き出したはずの心には、 ほんの少しの後悔と暖かい感情が残った。 |
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